とにかく前に進もう


「金スマ波瀾万丈」後藤真希全告白、大丈夫じゃないけど大丈夫 - はてなでテレビの土踏まず

1ケ月ほど前に放送された金スマ後藤真希特集なのですが、実は私は見なかったのです。その理由は、おそらくモーニング娘。卒業後のソロ活動の充実が語られることはないだろうから、私の意に反する物語を見たくないという気持ちがありました。その辺は当たっていたようで、ピークアウト後のハロプロに対するうたばんラインの無理解には改めて嘆きを感じるところです。*1

しかし、そうやってあれこれ習熟すればするほど、がんばればがんばるほど、(少なくとも数値的なことだけで見れば)低迷の一途をたどる、というおかしな結果につながってしまいました。

未完成で頼りなく、幼くて新鮮で、何色にも染まらない……そんな生まれたてほやほやなアイドルにより吸い寄せられる、というのがアイドルファンの習性だとは思います。鋼の肉体を手に入れたごっちんから次第にお客が離れていくのは、実は道理ではありました。完全に皮肉で不条理なことだけれども。


ファンが新しいもの、弱いものに魅かれるということに加えて、スタッフ側の視点でも一人でもやっていけそうなアーティストよりは、まだ未成熟な新勢力に多くの支援を行うのは道理のあることと思います。この問題から逃れるには、高いポテンシャルを示しながらいつまでも弱さを残したままでいるということが考えられます。もっともそんな姑息な考えのハロプロメンバーはいないと思いますが、スタッフやファンの意図によってそうキャラ付けされる危険はあるでしょう。


さて、ごっちんがエイベックスにいることで、ハロプロではできなかったことができるのかといえば、そうした下の世代との関係を除けばほとんどないと思います。それでもホワイトナイトの言い分として、残念ながら移籍前のことは否定的に解釈せざるを得ない*2のも理解できます。またせっかくお世話になっているのだから、それで売れるのならあらゆる手を使って世間に売り込んでほしいとも思っています。

下世話な話、なにより目先の収入、お金のことは現実問題として当然あるだろうから、簡単にはリタイアは出来ないのかも知れない。しかしいくら巨万の富を得たからってどうにもならないってことは、誰よりも本人がいちばん知ってるはず。

それでも今はまだ芸能界。

ファンとしては、根本的な意味では本当に何ひとつしてやれることがないという無力感に苛まれながらも、すごく表面的かつ基本的なこととして「応援するよ!」というスタンスを愚直に取り続けるのが、これまで楽しませてもらったことに対する、せめてもの報いな気がします。


ずっとごっちん一推しでやってきた私ですが、残念ながらこれ以上のことが書けません。しかし思いの過程は違っても、最後には一つの思いに集約される、そういうことなのだと思います。

*1:1年前のキズナ食堂スペシャルなどがあるので、まだ完全に縁が切れたわけではないのですが。

*2:正史において前の王朝の末期のことが悪く書かれるのと同じようなものです。

アイドル戦国時代とか言うけれど

戦国時代というほど派手なのかという疑問はあると思いますが、実際の戦国時代でも武田信玄上杉謙信のような戦国大名のイメージ*1に一致する大名は、多めに数えれば100以上あった大名家のうち有名どころの10程度でしかなく、さらには有名どころですら全国統一という意味での天下取り*2を目指したのは織田信長より前にはなかったのであって、むしろ戦国時代なんてそんなものだという歴史ヲタの見解を示しておきます。それから「幕府や朝廷の力は衰えていたが権威としては有効で諸大名はそれをよく利用した」というのもアイドル史とのアナロジーで重要ですね。


それはさておき、アイドルの戦国で気になるのがこれです。


総勢59人!「MJ」収録に人気女性アイドル7組が集結 - 音楽ナタリー

NHK総合MUSIC JAPAN」の公開収録が、本日5月17日に東京・NHKホールにて開催。このうち、5月30日(日)放送分の収録で、現在話題の女性アイドルグループたちが一堂に会した。


今回の収録に参加したのは、アイドリング!!!AKB48スマイレージ東京女子流、バニラビーンズ、モーニング娘。ももいろクローバーの計7組。同番組にこれだけの女性アイドルグループが一度に出演するのはこれが初めてのことで、公開収録への応募総数は6万通に達したという。


戦国時代でも普通の大名は自国を守るのが第一であったように、芸能界でも「天下を取るぞ」と言ってはいても実際には目の前の目標との戦いだと思います。その点AKB48だけが信長的な天下取りを目指しているようで、その実は信長と違って全く革新的ではないと言えます。


ここでハロプロ側の戦略を考えますと、「AKBには近づくな」という以前からの考えをここでも主張したいと思います。それは目指しているものが違うという意地の問題が第一なのですが、実利を考えても「AKB48とその他」と見られかねない舞台にこちらから乗るのは得るものが少ないと見ます*3AKBアイドリング!!!も後から思えばアイドリング!!!が踏み台にされた印象があります。


これは「本人の内面の誇りが守られれば問題ない」とは言い切れないので、そのあたりハロプロの年上メンバー切り離しも「近づいてしまった」という点でよくなかったと思います。*4ハロプロの多様なユニット・メンバーはリスクヘッジのためであってシナジーのためではなかったのかもと思いますが、それはアップフロント上層部に「いざという時は私が全責任を背負う」という心意気がなかったということで、そのために例えば後藤真希藤本美貴は一時的に冷や飯を食わされたのだと考えます。


スマイレージ自身が「アイドル戦国時代」と言っているのが気になりますが、アウェーに新勢力を送り込みつつ*5それを緩衝地帯としてモーニング娘。は守るというのが当面の戦略になるでしょうか。そして今はこの番組を含めて自身のパフォーマンスに専念し、遠からず起こる敵の自滅を待って攻勢をかける*6というところだと思います。

*1:そもそも普通の人たちは戦国時代にそんな確固たるイメージはないと思いますが。

*2:戦国時代の前半では、明らかに支配力が落ちていた中でも幕府の実権を握ることが「天下に号令」と呼ばれていたようです。

*3:モーニング娘。OGがAKBメンバーと仕事をするのはお互いにピンですから問題ありません。

*4:年上メンバーだけでも守るという次善の策としては支持できます。

*5:AKB48の初期にTHEポッシボーが使われたように

*6:それも下手をすると厄介なファンを抱えることになるので要注意です。

何事にも全力を

お疲れ様です。
ゲネプロ終わりました。


終わったあとのミーティングでいっぱい色んな事を色んな人に言われました。
ダンスの先生が泣いていました。
わたしたちが泣かせてしまいました。


先生が言っている事、
私はよく分かりました。全て図星でした。


私は最近ほんとに自分勝手でした。自分でも何が言いたいのか表したいのか本当に分からなくて、なのに誰かに分かってほしくて、ただただがむしゃらで自分に余裕がなくて、なのに余裕ぶって平気なふりしてました。


それが最後のリハーサル、ゲネプロで出てしまったんだと思います。


先生に言われて、さゆみがいけない部分もいっぱい見えました。
みんなで話し合いももうけました。


でもやっぱりさゆみは自分の本当の意見は今はいえません。
分かっていても、直せないしできないんです。


強がりだし素直ぢゃなくて…さゆみが悪いのもわかっていても直らないんです。


みなさんは、
無理して頑張って疲れちゃうのと、
だったら諦めて気楽に楽しくいくのと、
どっちをとりますか。


私は、わかりません。


諦めるのは良くないし、さゆみは諦めない気持ちが何事も大切だと思います。
でも、楽しい気持ちやポジティブが1番だとも思います。


よくわからないです。


どっちをすればいいのか、
なぜ、大切なものは一つではないのか、
いずれにせよ選ばなくてはいけないのか、
本当に分からないのです。



そして、どんなに悩んでも明日がくるんです。
明日は、モーニング娘。の春ツアーの初日です。


私は、モーニング娘。の一人です。
モーニング娘。は八人です。


自分が自分が、ではいけないんだと反省してぃます。
八人で作り上げるステージなんですね。


明日、来てくれるみなさんと最高に楽しい時間を過ごしたいです!


これからも、
モーニング娘。
そして、モーニング娘。道重さゆみを、よろしくお願いします。

道重さゆみ(モーニング娘。) 公式ブログ/モーニング娘。 - GREE


モーニング娘。のライブへの熱い思いに感動した、と思ったら「プロは裏を見せるべきでない」という批判もあるようです。私は決して同意することはないもののそれだけなら聞き流すこともできます。


しかし「ライブはバラエティ出演の片手間でいいとでも言うのか」という主張を、私は見てしまいました。どこからそんな展開になるのかと思いましたが、おそらく誰かが「今やさゆが娘。の稼ぎ頭なのだから歌が下手だからといって叱られるべきではない」とでも言ったのでしょう。


そう言えば、以前モーニング娘。の一部メンバー*1が出演した舞台の時、関係者のブログの内容で一悶着ありましたが、そのときも「演劇は娘。の本業ではないのだから厳しく指導するべきではない」なんて言った人がいたのかもしれません。


しかし、モーニング娘。は歌が中心ではあるものの総合エンタテイナーだと思っていますので、片手間でいい仕事はないはずです。そして悩んで学ぶ姿は美しいもので、さんま師匠伝授のギャグを言って滑るのと同様に愛すべき光景であると思うのです。

*1:二部メンバーなんていませんよ、念のため。

メロン記念日にモーニング娘。の進む道を思う

以前のエントリで書いた「みんなモーニング娘。だったら」というのは元ネタは何かと言えばおニャン子クラブなのです。モーニング娘。にとっておニャン子はどちらかというとなってほしくないものだった*1だけに、あの仮想は実現し得ないものだったのでしょう。


その反対に、途中からモーニング娘。に新メンバーを入れないという仮想もあります。現状はその時期が遅いバージョンとも言えるのですが、有力なポイントは2ヶ所あります。


(1)後藤真希を最初からソロでデビューさせる

この場合、モーニング娘。は何年も前に解散していて、その後現在までに1度くらい再結成していたかもしれません。史実でいう4期以降が新ユニットとして順次デビューするなら、ハロプロ中澤裕子系の通好みグループと後藤真希系の大衆志向グループの二本立てで発展することになった可能性があります。やがて一方だけがハロプロということになるなら、どちらかはわかりませんが高橋愛のいる方でしょうか。


(2)5期メンバーをモーニング娘。に入れずに新ユニットとする

こちらだとソロ活動が多くなりつつも現在までモーニング娘。は続いていたでしょう。新ユニット(仮にブリリアンツとします)はBerryz工房と同程度にまでは行けるかもしれませんが、モーニング娘。超えは難しいと思います。そんな中でブリリアンツ推しの方々がモーニング娘。推しと、娘。ヲタとベリヲタの間に似た気まずい関係になるかもしれません。*2ただ、おそらく紺野あさ美が大学進学を望んだ時点で解散するはずです。その後復帰の受け皿がブリリアンツかガッタスかが運命の分かれ道です。*3


史実と別の5期メンバーが入って加入卒業システムは継続するというのも考えられますが、ここを掘り下げると5期推しを嫌な気分にさせるかもしれませんのでやめておきます。


現在のモーニング娘。はそれなりにいいものを見せているとは思いますが、変化がなくて物足りなさも感じるところでいわば「メロン記念日化」しつつあるようで、それならその一部が最初からメロン記念日(のような存在)ならよかったのに、ということで考えてみました。そのメロン記念日もついに解散するということで、モーニング娘。もまた解散の可能性を思うのでしょうか。


過去に「モーニング娘。が終わるかもしれない」という危機感が広くあった時期が2度あります。1度目は結成から約2年間、2度目は2004年夏から2005年春あたりで、それを乗り越えたことがその後の充実感をもたらしたのだと思います。娘。がバラバラになってしまうのは惜しいので、終わりの可能性を意識することがかえってグループ存続への刺激になることを期待します。

*1:今は違うのかもしれません。

*2:6期≒℃-ute久住小春真野恵里菜なんて想像もできます。

*3:この場合、私はガッタスのこんこんは推してもブリリアンツのこんこんは推していないような気がします。

太く短く生きるか、細く長く生きるか

太く短く(ふとくみじかく) 一生を短期間に凝縮させたような精力的な生き方をすること。したいことをして楽しく過ごせるなら、長生きなどはしなくても構わないという処世の態度。
http://www.geocities.jp/tomomi965/ko-jien06/ha14.html#huto

細く長く(ほそくながく) 短期間に全力を出し切ってしまわないで、長く続くように少しずつすること。また、偉大なことを成さなくても長生きした方が良いとする生き方のこと。
http://www.geocities.jp/tomomi965/ko-jien06/ha16.html#hoso

「太く長く」というのは辞典に載っていませんが、派手な生き方をしながらも長生きするということになるでしょうか。それはやはり困難なことで、「太く」と「長く」はトレードオフのようです。芸能界は特にこうした生き様の例を見せてくれるところだと思います。


芸能界で「太く」というと、広く大衆に支持されるということになります。しかし世間は怖いもので栄華を極めた者にはその最中もその後も厳しい荒波が襲ってきます。すなわち「太く短く」になりがちで、それを避けて長く生き残るには地道に芸を磨き磐石な支持者を確保する、それが「細く長く」です。


猿岩石として国民的な注目を浴びた後にどん底を経験して、その後一線に返り咲いた*1有吉弘行は二度目のブレイクを「馬鹿に見つかる」と言いました。馬鹿とはすなわちタレントを持ち上げたり落としたりする世間のことですから、例えばネプチューンあたりはそんなことは言わないと思います。


ここまで世間と言いましたが、普通の人々は忘れっぽくはあるものの悪意のある人は少なくて、実はマスコミやプロダクションの問題かもしれません。まあ何といいますか…影の勢力に利益を供与しないとその息のかかったメディアに叩かれるということがあるのだと思います。芸能界が古くから闇社会と関わりがあるとはよく言われることで、長年の努力にもかかわらずまだ完全には排除できていないようです。そこで「金儲けしようなんてけしからん!タレントとファンのためにはヤクザの軍門に下ってでも大きな仕事を取るべきだ」と言っていいものか。


さて、モーニング娘。はもともとゴールデンタイムの番組によって生まれたもので、また「98年一杯で解散する可能性もあった」というつんく♂Pの発言もあるように、当初は「太く短く」を志向していたようです。しかし元来の意図を超える成功を成し遂げたことにより、いつしか「細く長く」なのか「太く長く」なのかはともかく「長く」を目指すようになります。ここでは多くを述べないことにしますが「長く」あろうとしたゆえに「細く」なってしまった観は否めないようです。そして「長く」が達成されたゆえに「太く長くあれ」と思うのも仕方ないのでしょうが、時の勢いを失ってからのハロプロに関しては諸問題はありつつもそれなりによくやっていると思いますので、責めるならもっと勢いのあった何年も前のことにするべきだと考えます。昔のことを責めるというと後ろ向きに聞こえそうですので、簡単に最盛期の勢いを取り戻せると思うべきでないということです。


もう一つ申しますと、「このままではいかん」と思うならもう一歩踏み込んで「だらだら続く位なら終わってほしい」と思うかそれとも「何としても続いてほしい」と思うかというところを考えてほしいとも思います。そこの議論が深まらないと、その中身が曖昧なままに構造改革が語られるのに似た残念な光景が展開されるでしょう。

*1:こんな説明は不要かもしれませんが、あえて書いてみました。

昔と違う名前で出てきたら

もし、エイベックスのよくわからない名前の新人アーティストが、実は後藤真希だったら…ありえませんね。さすがにごっちん級の知名度があれば隠すわけにもいかず、アーティストとしてはともかくセレブとしての活動ではむしろ知名度を利用している感があります。そこで元はとれるのでアーティストイメージをゆっくり確立するという考えもできるのでしょう。


しかし、もっとマイナーだった人ならどうでしょうか。


例えば村上愛がエイベックスの新ユニットにいる、となれば私は喜ぶと思います。ただし横文字の適当な名前が付いていてそれが実は村上愛だと後で分かった、なんてことがあれば嫌な気分になると思います。HUNGRY&ANGRYのようなパターンもこの場合は考えられませんので、過去のことを否定されるようで過去を見てきた側としては納得できないでしょう。私には好きなアーティストはいるものの、アーティストという概念に強い思い入れはないのですよね。


Sugarを見てきた韓国の人たちの気分はこんなものなのでしょうか。