まだ語り足りない

昨日の続きです

ところで、矢口さんが熱愛報道を受けて、突如、モーニング娘。を脱退したときにも感じたことだけど、アイドルが恋愛をしてはいけないという論理(?)は、ほんとにもう、いったいなんなのか。ぼくにとってはまったく理解不能の、ちょっとした異次元の論理でしかないのに、しかしこれは、けっこう数多くの人に支持されている考えらしく、今回の村上さんの件だって、脱退と直接の因果関係があるかどうかは別にして、ストーカー行為の犯人が盗撮した写真が、男性とツーショットのものだったからこそ、ある種の人たちにとってはスキャンダラスだったのだろうから、金科玉条のようにしている考えでなくとも、アイドルのファンの人のなかには、潜在的に、かなり一般的に、ある考えなのかもしれない。ぼくの中にも、意識していないだけで、あるのかもしれない(いやー、ないない、あるわけない、と思う)。もしくは個人の中にあるというのでなく、世間一般はそう考えているにちがいない、という基準を設けているのかもしれない。しかしまあ、それもまた、そういう形をとって自分の中にあるだけのことで、外部に判断をあずけている点で、よりみっともなく、これはちょっと論外か。
もっとわからないのは、そういうときに出てくる、裏切られた、とか、裏切った、という感覚で、そんな、武士じゃないんだから、裏切りの果ての切腹とか、いいかげん、やめましょうよ、時代じゃないでしょう、と思ってしまう。平和ボケか?
http://d.hatena.ne.jp/takiko17/20061102/1162440874

なぜ「アイドルは恋愛をしてはいけない」ことになっているのかというと「恋愛感情を抱いているファンを悲しませるから」という答えがあります。
これに対して「俺はそんな感情だけで見ているんじゃない。立派なエンターテイナーとして見ている」という主張があります。この背景には、アイドルへの恋心が実を結ぶことはない(あってはならない)のでそれは「残念な感情」とされることもありますが、それ以上に推しメンが「恋は盲目」の状態でないととても見ていられない存在のように思われたくないという、ファンの矜持を示すものであるのでしょう。
ここで推しという言葉を使いましたが、ファンの中には本気で恋愛感情を持っている人もいて、それと別に推しがいて「好き」と「推し」を使い分ける例もあります。

昨日取り上げた中に、ペペロンチーヌさんの「UFA潔癖症だから」という言葉がありました。「アイドルはかくあるべし」という窮屈な考え方にとらわれないことこそハロプロの強みであると思うのですが、アイドルと呼ばれるがゆえに、一部のスタッフとファンだけかもしれませんが固定観念にとらわれる人はいるのでしょう。
松浦亜弥が写真週刊誌にやられたときは、それによる直接のペナルティはなかったものの、脱アイドルを決意するきっかけにはなったかもしれません。そして、今年のツアーを見た人ならわかるように「あんなところまで行ってしまった」わけで、それはおおむね高い評価を受けている一方で以前取り上げたように「気持ちが伝わって来ない」という意見も見られます。

昨日取り上げなかったところでも、この問題にはもちろん多数の意見がありました。その中には「そんなにスキャンダルが怖いなら恋の歌を歌わせるな」というのもありました。
この際言ってしまいますが、「アイドルは恋愛禁止」という価値観はストーカーと紙一重の感情をはらんでいるのではないかとさえ思いました。そこまで言わないにしても、そんな価値観が犯人の憎むべき行為に手を貸した、その意味で例の写真に動揺した輩も共犯かもしれない、とは主張したくなります。ついでに狼の奴ら、っていうか狼に多い愛のないウォッチャー気質も共犯でしょう。

ただのストーカーなら、あの子も事務所もそう簡単に屈しないだろうという思いでしょうか、こんな説もあります。

10月にアルバムでメジャーデビューして来年2月にシングルデビューを迎える℃-uteAKB48の全国展開時期は若干ずれているとはいえ...近かった。
℃-uteはマスコミに「ハロプロ最終兵器」とも言われている。
当然のことのように標的にされたようだ。
株式会社office48の資金力は恐ろしくある...それは某喫煙騒動でも噂は出てた。
入場料2,000円...ライブやる度に膨らむ赤字...赤字というか...投資。
「職業ストーカー」って表現は初めて聞いたよ(笑
撮られた写真をアップフロントは買い取らなかった。
ハロプロファンとしては、お金でもみ消してほしかった...でもアップフロントは今まで通り金は積まなかった。
office48がさしむけた刺客...とか(笑 
2006-11-01 - なっぺ日記 +清水色+

どこの回し者かはともかくとして、ただのストーカーではないとすれば、やーさんが絡んでいるのかもしれません。だから私も「強引な引き抜き」というシナリオを想像しました。ハロプロ以外での生かし方は難しいでしょうが、自らの戦力にならなくても敵が弱くなればよしと考えるかもしれません。いずれにせよ今のところは妄想の域を出ませんが。

ファンの過剰な思い入れがこんな悲劇を起こすかもしれないという危機感が、一部プロダクションではファンと距離を置くプロデュースを行わせたのかもしれません。それが往々にしてこんなことになるのでしょう
この話題が出たときに私が「その反対側の問題も考えるべきだ」と主張したのは、ハロプロにとってこちらの方が切実な問題であると思っているからです。(その意味ではスルーされてしまいました)特にBerryz工房が深刻だと思っていたのですが、それより世界観が幅広い分強みがあるはずの℃-uteが今回はやられてしまいました。
その話の続きで「実力がないと思われたくないからアイドルと呼ばれたくないのかも」「んなわけねーだろがバカヤロー」というやりとりもありました。ここで改めて問いましょう。
美空ひばりが、石原裕次郎が、長嶋茂雄が、誰に恋愛を禁じられたというのか。その事実があったとしても、その理由が『人気者だから』だったというのか。」

℃-ute/「Cutie Circuit 2006 Round II」@品川ステラボール - はろぶろ。
のレポによると、ファンもメンバーもつとめて気丈にふるまおうとしていたようです。ファン側には「鬼畜どもと同列に見られたくない」という気持ちが強かったのでしょう。
その心意気を悪く言いたくはないのですが、一方で私の「こればかりは受け入れたくないし、他のファンも受け入れてほしくない」という気持ちは変わりません。昨日の冒頭で取り上げたそうまかなえさんの気持ちが改めて理解できました。小川卒業の時は「モーニング娘。にいるのがいやだったかも」というシナリオを作って納得しようとしていたのですけどね。