2006年のハロプロを振り返る(5)

最後はBerryz工房℃-ute、そしてハロプロエッグを取り上げます。


Berryz工房にとっては、ひたすら突っ走った過去2年に比べて今年は安定の1年だったと思います。ようやくグループとしての「守るもの」ができて、変化に対する恐れと停滞に対する恐れという矛盾したファン心理が表に浮かんできたようです。菅谷梨沙子の写真集に対する議論は、その端的な現れでした。今後メンバーの成長とともに変化していくグループになれるか、それとも矛盾を抑えきれなくなって解体に向かうかが見所です。
それに対し、能力的には劣るとはいえないものの日の目を見ることが遅かった℃-uteは、この1年で一気にBerryz工房に追いついたかもしれません。Cutie Circuitの意義については否定的な主張もありましたが、本格デビューまで段階を踏むことでメンバーの、そしてファンの精神的充実を達成できたと考えれば、それだけでも大きな意味があったと思います。その途中で村上愛という逸材を失ったことは極めて残念なことですが、その事件にも先ほど述べたようなファン心理が影響したのかもしれません。
ハロプロエッグもまた、今年一気に活動の場を広げました。ブログは金をかけずにファンを増やす方法として有効かもしれません。その中でも福田花音の才能には感服してしまいます。他にも演劇のような近くに感じられる活動が多かったのもその特徴で、特にTHEポッシボーは「ゼロ距離の味」を知ってしまったハロプロファンを多く惹き付けたようです。ただ、ポッシボー程度がメンバー本人の目標だったはずはなく、現在の活動が続くとメンバー・ファン双方を勘違いさせることになりかねないので、何とか「その先の目標」が与えられることを願います。つんく♂氏の「面白いことをやりたい」の人身御供に終わったという悲劇だけは避けていただきたいところです。