サブカルチャーって何なんでしょうね?

まずはこちらをご覧下さい。
http://anond.hatelabo.jp/20080531220950

これにレスしてみようかとサブカルチャー - Wikipediaを見ると…

サブカルチャー(subculture)という語は、文脈によって次の3つの用法がある。

  1. 社会の支配的な文化から逸脱した文化事象を指す。ハイカルチャーと大衆文化の両方を横断し、言語、宗教、価値観、振る舞い、服装などを含む。社会学、特にカルチュラル・スタディーズで用いられる。⇔メインカルチャー
  2. 絵画や純文学、クラシック音楽などのハイカルチャーに対し、娯楽を主目的とするマイナーな趣味的文化を指す。サブカルと略されることもある。⇔ハイカルチャー
  3. 漫画、アニメ、コンピュータゲーム、特撮作品、フィギュアといったおたく文化を指す。

1.が本義で、後に日本において2.と3.の意味に用いられるようになった。いずれの場合も「既成文化に対する二次的な側面」という含みがある。「下位文化」と訳されることもある。また、芸大生など若いアーティストないしはその志望者が、自分たちの創作する作品や自分たちが発信している文化を、商業ベースに乗っている文化と区別して、カルチュラル・スタディーズ的な意味を含めてサブカルチャーと称することも多い。

そうだったのか…。まあ上の匿名ダイアリーの文脈では1.の意味でないことは明らかなわけですが、はてなブックマークでも「本来の意味」に触れたコメントが見当たらなかったので、1.の意味を知らない(知らなかった)のは私だけではなさそうですね。


というわけで、サブカルチャーには「多数派に対する少数派」と「貴族のものに対する大衆のもの」という違った意味があるようです。「多数派⇔少数派」の前提になる人種問題がほとんど意識されない日本では1.の意味はやはり理解しにくいのでしょう。これに対してアメリカでは階級闘争を前提とした価値観がわかりにくく、それゆえ2.の意味に思い至ることが難しいかもしれません。ヨーロッパではサブカルチャーと呼ばれないにしても2.の観点は重要と思われます。


それを踏まえて、議員さんの発言ですが、

「アニメとか漫画とかゲームとか、そういったものは所詮はサブカルチャーだ。君が熱中した何とかというゲームソフト(メタルギアソリッドシリーズだったと思う)を作った人達というのも、本来であればメインカルチャーとか、実学とか、政治とか、そういった世界で活躍すべき人達だったはずなんだ。政治の世界でもアニメとか漫画で日本をアピールしようという動きがあるが、私は政治家の端くれとして恥ずかしくて賛成できない。独創的な能力を持つ人々をサブカルチャーの世界に追い払った事を自ら喧伝しているようで、国外にも、アニメ・漫画・ゲームを作っている人達にも顔向け出来ないんだよ。」

こう言われた留学生は本国の文化事情に思いをはせたのかもしれません。即答できないのは仕方ないでしょうが、願わくばその場で「話の続き」がなされればもっと面白かったのに*1と思いました。


ここで「その言い草はアニメや漫画やゲームに失礼だ!」と返すのは、気持ちはわかりますが大人のやりかたではないよなあと思います。アニメと政治ではちょっと距離が遠すぎますが*2映画とテレビのような近接ジャンルでは実際に「追いやられた」例が少なくないわけですよね。現在の日本の政界についても、アニメなどはともかくとしても、例えば実業界の大物がなかなか政治家にならないことはある程度問題視されていますし、また問題視されるべきでしょう。
アニメやゲームの世界にいる人の望みとしても、やはり天才を政財界やハイカルチャーに引っ張り込むよりは、アニメやゲームの地位向上を期待しているでしょう。しかしそれも難しいことですし、それが達成される頃には次の何かが現れて同じように人々を悩ませるかもしれません。そこまで語られたならば議員さんは大したものだと言われたのでしょうが、「続き」がないことが惜しまれます。

*1:それがないことが、この話が架空のものではないかという疑惑を生んでいるのでしょうか。

*2:アニメや漫画の世界から政界を目指すような人もそのうち出るのでしょうが。