創業の物語、守成の物語

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唐の2代皇帝太宗が「創業と守成はどちらが難しいか」と家臣に問い、それに対して創業の難しさを説く者と守成の難しさを説く者がいたのですが、最後に太宗が「どちらも難しいが、現在の課題は守成だ」と締めました。


しかし、歴史において語られることが多いのは、守成より創業であるのは間違いないでしょう。日本史では源頼朝北条時宗徳川家康徳川吉宗西郷隆盛伊藤博文などの例を考えると、創業の英雄が他にいて人気が分散しているためにようやく互角に近い評価ではありますが、偉人を生むのはやはり創業の物語が多いようです。


モーニング娘。にとっても、現在は守成の段階にあるのは言うまでもないわけで、現在のファンは守成の物語により関心があるものと思いますが、世間が関心を持つのはやはり創業の物語と思われ、それは現メンバーの力不足によるとは言えないでしょう。かといって周辺スタッフに力がなかったかというとそれも違っていて、どちらかといえばバランス感覚の問題だと思っています。


さて、先日の「キズナ食堂」ですが、出演したのが中澤裕子飯田圭織安倍なつみ保田圭矢口真里辻希美そして高橋愛新垣里沙と初期メンバーに偏った構成で、これは話のまとまりがなくなるのを防ぐためと、番組スタッフが「うたばん」と重なっていることから扱い慣れていることが理由でしょう。これに対してUFA側が現役メンバーと絡めることを条件として承諾したと考えられます。この企画が今になって実現したのは、これまでは現メンバーと元メンバーがともに「過去の看板に頼っている」と思われることを避けてきたのが、ようやく矢口真里辻希美が「モーニング娘。の延長」というイメージを乗り越えつつあることと、現在のモーニング娘。のスタッフも一時期ほど意地を張らないようになったことによるのでしょうか。
ただ、既にモーニング娘。時代を乗り越えたと思われる後藤真希や、今乗り越えようとしている藤本美貴などが(おそらくはそれぞれの事情により)登場しなかったことが残念ではあります。また、守成の物語を代表すると思われる吉澤ひとみ紺野あさ美あたりも含めて、どこかで別の企画が実現することを願いましょう。