また輝いてもいいですか?

これまでの長い歩みの中で、もはやモーニング娘。が輝こうとするとどうしても誰かを傷つけることになるから、ただそこにいるメンバーのキャリアを汚さないため、いわば敗戦処理のために活動するしかないのだと思っていた時期がありました。
しかし、新しいファンを得ることなど不可能と思われていたその時、存外新たにモーニング娘。を見つめるようになった人たちがいました。そして長く新メンバーの入ることのなかったモーニング娘。に9期メンバーが加入した2011年の年明けとともに、よほど関心のある人でなければ忘れていたであろうモーニング娘。の名を再び世間にとどろかせるための苦闘が始まったのでした。


「プラチナ期」という言葉を使う時の複雑な感情、それはファンでさえも娘。の底力を信じることができなかったあの頃に対する後悔、一方で当時の歴代最高の技量により惹きつけられた新メンバーと新規ファンへの感謝、そしてあの頃の分まで世の注目を集めたいという思い、などなどが折り重なっているのでしょう。これまでメンバーが卒業するたびに起こった、卒業メンバーのヲタとその後の娘。のヲタがいがみ合う悲劇は、あの時より後には幸運にもと言いましょうか、なんとか避けられています。


そんな悲劇のおそらくは最大の原因となった人物で、敗戦処理という考えを私が抱いた理由もそこにある、矢口真里のことが気になっていました。順調だったソロ活動を暗転させたかの一件については言及を避けますが、勝手なものでモーニング娘。'14への悪影響を心配して芸能活動ができないと思われるのは困るので早く活動再開してほしいと思っていました。実際には前夫サイドとの兼ね合いがあるのでしょうが、これ以上の詮索はしないことにします。


ともあれ、それがモーニング娘。にとって正道であるかはともかく、いや、その努力によって正道とようやく認めさせることができたというべきか、自分なりの方法で大いにその人気を獲得することに成功した道重さゆみの卒業をもって、これまで17年の歴史を重ねたモーニング娘。は大きな節目を迎えることになります。モーニング娘。'14がモーニング娘。'15になっても、その前途にはいささかの不安もないのですが、一方で私がこれまでと同様ないしより強く見つめられるか、こちらは大いに不安なのですが、なるようにしかならないのでしょう。


そして、さまざまな理由でモーニング娘。から心が離れてしまった人たちも多くいたと思います。そんな人々が再びモーニング娘。に目を向けることはあるのか、その輝きに目を見張ることはあるのか。今問いたい、「また輝いてもいいですか?」と。