切り替えて行こう、でも、どうやって?

鞘師里保モーニング娘。からいなくなる、これは大変だと言っても、さしあたっては残ったメンバーでやるしかないのですが、そもそも何故にエースとしての鞘師が必要とされたのか。その加入時、2011年の年頭の状況を振り返ってみます。

その当時、長く新メンバーの加入がなかったモーニング娘。は歴代でもっとも成熟した状態にあり、そのパフォーマンスに大いに誇りを高めていたのですが、一面ではある種の閉塞感も依然としてありました。その時、亀井絵里が持病により一線を退かざるを得ない状態となり、また留学生の立場であったジュンジュンとリンリンも中国に戻ることになり、改めて卒業・加入により変化し続ける娘。の宿命を思い出すことになったのでした。とはいえ9期メンバー加入にあたっては長く新メンバーを迎えていなかったことによる戸惑い、さらには能力的にも必然的にハードルが最高レベルに達していたことで大いに困難が予想されました。
それに応えるのに、鞘師里保の高い素質は十分な説得力を持ったものでした。ことにやがて卒業すると思われていた高橋愛*1の後継に足る能力を示すのが問題でした。他のメンバー、例えば田中れいなでは力不足だったというより、世代が近いとライバルというイメージになり後継者とは見られにくかったのです。もっとも、そのように世代交代が綱渡りになった原因、つまり6期と9期の間にあたる世代のメンバーがほとんどいないことになった理由は、ハロプロの他のグループとの関係も絡む複雑なものと思われ、深入りは避けることとしましょう。

そんな過程があったので「鞘師里保の後継」というのも自ずから難しいものとなり、仮にそれが必要になる事態を想定していたとしても現時点で満たすのは無理のあるものとなることでしょう。急仕立てでエースを作るわけにはいかないので、ひとまずは組織力でなんとかすることになるでしょうか。

*1:卒業の意志が公表されたのは9期加入の少し後でしたが、オーディションの段階で前提にはなっていたことでしょう。