はてなかしまし物語::紺野あさ美さんモーニング娘。卒業 「紺野さん」という呼称

はてなダイアリーのキーワードにもある「紺野さん」は、半年ほど前にキーワードとしての存在意義をめぐって激しい議論がありましたが、私としては単なる敬称以上の意味をもって使われることがあるように思います。


「紺野さん」がはてなダイアリーのキーワードに登録されたのは、2003年4月26日のことでした。登録したのはid:yiyeさん、つまりはあの紺野系大手サイトDOMAIN ERRORの作者であるyiyeさんでした。ただし、このときは説明がありませんでした。
2003年12月26日に、このような説明が書かれました。
http://d.hatena.ne.jp/keywordlog?klid=118689

紺野あさ美モーニング娘。5期メンバー。食いしん坊な癒し系の女の子。けっこうかわいい。

短いながらも味のある表現です。議論の結果、これが説明文から削除されたのは惜しまれます。
2004年3月18日に、一度削除の提案がなされましたが、このときはほどなく撤回され、その過程で
http://d.hatena.ne.jp/keywordlog?klid=157103

→「紺野あさ美」の事。

と修正されました。


今年に入ってから再び火が付きました。きっかけはモー神通信でおなじみ、id:tk-mokamiことTKさんの登場でした。大手サイトの作者としての責任感、いや「馬鹿な奴らを戒めるんだ」という驕りとも言える気持ちのためか、1ヶ月以上にわたってキーワードとしての是非をめぐって議論になりました。相手となったのも、旧字体を交えるid:eulearさん、何かとお騒がせの履歴があるid:nozorinneさんという「電波っぽく見えやすい」人であったことも、泥沼化の一因であったと思われます。
当事者の心の底はともかく、表面上の問題は「紺野さん」に単なる敬称以上の意味があるかどうかです。
賛成派は「多数の使用例がある」ことを示し、これでキーワードの存在意義として十分だと主張しました。しかし「単なる敬称以上の意図を持つ使用例」を十分に挙げることができませんでした。反対派は「単なる敬称をニックネームとみなすことはできない」と主張するのみで、私の判定では賛成派優勢ながら押し切れなかったように見えました。
その間、
http://d.hatena.ne.jp/keywordlog?klid=654506

紺野あさ美モーニング娘。5期メンバー。食いしん坊な癒し系の女の子。けっこうかわいい。
ハロプロファンのダイアリーでは、親しみをこめて「紺野さん」と書かれることが多い。

のように「親しみをこめて」使われるという解説が書かれましたが、最終的に「紺野さん」は本質的には紺野あさ美を指すものではないという前提でキーワードとしては存続する、という形で決着し、
http://d.hatena.ne.jp/keywordlog?klid=670230

紺野姓の人に対して使われる敬称。
はてなダイアリーでは、モーニング娘。紺野あさ美を指すことが多い。

という表現になりました。


はてなIDをお持ちの方であればキーワードの編集履歴とコメントを見ることができますので、一部始終を知りたい方はキーワード「紺野さん」からどうぞ。


さて、ほかの「○○さん」例えば「石川さん」は、ハロプロのメンバーにそう呼ばれる機会が多いためにその影響でファンも使うようになったのだと考えられますが、「紺野さん」は、それよりは大手テキストサイトの影響が強いものと思われます。特に重要なのが、コンノ大戦です。
そのサイトでは漫画のパロディが多く使われていて、そこで漫画の登場人物が「紺野さん」をもっぱら用いています。そこでネタを成立させるための呼び名は「紺ちゃん」や「こんこん」や「あさ美ちゃん」ではなく「紺野さん」でなければならないというのは、そのサイトを見れば分かっていただけると思います。
実際に「紺野さん」に込められた思いを知るには、サイトの作者であるヴォルフィードさんに聞いてみなければならないと思いますが、「親しみ」と呼ぶべき感情が含まれているのは確実でしょう。また、そんな用法がふさわしいのは「高橋さん」や「小川さん」よりは、やはり「紺野さん」なのだと思います。


間もなく、紺野あさ美は芸能界からいなくなります。この機を逃せば、もはや「紺野さん」という呼称の意味を語る機会はないと思いましたので、人の呼び名を、あるいははてなキーワードの意義を考える材料として以上のように書かせていただきました。