スフィアリーグFINALを振り返る

スフィアリーグ FINALステージ 座談会“風”レポート(前編)』:森雅史(サッカージャーナリスト)×岡田康宏サポティスタ)×小池正人(本誌)×菊地芳樹(本誌)
http://www.soccerstriker.net/column039.html

森  ガッタスも、みうな、あさみが抜けると7人になる。
小池 リトルガッタスから昇格させるんじゃないんですか?
森  考えてたみたいなんですけど、でも小学生とかいるからね。そういうところを考えると、ハロプロの大人のメンバーを入れないと、ガッタススフィアリーグでやっていくのは難しいんじゃないかな。
岡田 スフィアリーグ自体が、ちょっとレベルが上がりすぎていて初心者が入りづらい。ミスマガの新しい子なんかも、勝ち負けだけを考えるなら試合に出すのは難しい状況だし。だから、そこを緩和する意味でも、ガッタスも初心者を入れて。イチから育ってくのを見るのも楽しみですよ。
森  本当にそう。今や、うまい子をポコッと引っ張ってきて勝つという、それが正しいあり方かどうか。


これは、ガッタス側からは強く言えないことではあるのですが、やはりいきなりうまい選手を入れるというのはスフィアリーグにとってよくないでしょうね。

森  どっちも後ろにあれだけやれる選手を置いておけば、なかなか点は取れない。
岡田 それはトーナメントの弊害なんですよね。本当はリーグのほうが試合としては面白くなると思うんだけど……。
森  いろんなチームがもうちょっと努力して、名のあるタレントを所属させてしっかりファンをつかんで……っていうふうになればできるんだろうけど。
岡田 勝ち負けにこだわるのは分かるんですけど、それにしてももう少し魅せる意識がほしい。だって競技のフットサルより見てる人は多いわけじゃないですか。全大会でテレビ中継も入っているし。だから、フットサルってこういうもんなんだよっていうのを見せる意識を持ってほしい。これはとくに指導者の方に。例えばガッタスなんかは、いいプレーをして勝ちたいという意識を常に持っているでしょ。


面白さと競技レベルの向上が両立しないというジレンマは、実は結構多くのスポーツであると思います。それでもガチンコでなければいけない、これは強く主張したいところです。

小池 で、仁藤優子の一発。
菊地 そうそう。2点目ね。あれでドリームの息の根が止まった。つまるところタレント力なんでよね。
小池 こういう、シリーズの最終戦みたいな大きな舞台になるほど、オイシイとこを持っていくわけですよ“アイドル”っていうのは。
菊地 同い年ですよ、私。35才ですよ。
森&神 仁藤さん、ちょっとわかんないんですけど……。
岡田 仁藤優子は80年代を生きた人には、ザナドゥの選手の中では大林素子くらい有名ですよね。
小池 今回はガッタスが、カントリーの最後ということもあって、しかも逆転総合優勝がかかったシリーズ最終戦で、会場を盛り上げながら勝ち進んでいくっていうのは、やっぱスゴイなって思ったんですよ。やっぱ『タレント力』だなって。そんなことを感じていたら『仁藤優子』ですよ。
  80年代といったら、日本の芸能界が最もアイドルで輝いた年代ですよ。そんな時代に活躍した35才の仁藤優子が、06年のスフィアリーグのココを持っていくんだから、もうオレは驚いた。やっぱ80年代アイドルはスゲエんだなと。

中澤裕子より年上の人にやられたわけです。10.19の梨田のようなものとも言えるでしょうが、いわゆる魔物の働きはすごいもので、それを味方にできる力を「タレント力」と呼んだのかもしれません。

岡田 「おニャン子」とかがスフィアに来たらもっとスゴイことになるんじゃないですか。
小池 そうだ、おニャン子だ。あと「オールナイターズ」だね、来シーズンは。
菊地 そうだよ! 出てきてほしいなあ。
森  両方ともフジテレビ系だし。
菊地 それ提案しよう。今までわりと、この座談会での提案が通ってるから。
小池 「通ってる」って、それイヤらしいよ。
菊地 でも、幸か不幸か、結果的にそうなったことも、けっこうあるよ、実際。
小池 でも、ホントにいいと思うよ。ファン層の拡大には間違いなく貢献すると思う。「おニャン子vsガッタス」なんて、もうこんなミラクルないよ。

と思ったら、こんな話になってしまいました。そもそもチームとして成立するのでしょうか。あっても単発でしょう。
それと別の話として、AKB48のチームがあったらアイドル的盛り上がりはあるでしょうね。ただしTEAM dream以上のヒールになりかねない、というか何か面白くないことをやらかしそうな予感もあります。

岡田 まず、ザナドゥーvsドリームの時点で、ドリームが勝ったら総合優勝が決まっていた。そこを越えて、ガッタスvsファンタジスタもクリアして、さらに決勝の20分も耐えてPK戦まで総合優勝の行方を持ち込んだ、その「綱渡りっぷり」はすごかった(笑)。
菊地 返す返すも「持ってるね」ガッタスの子たちは。
小池 そう。で、さらに返す返すもドリームを止めたのは仁藤優子だから(笑)。
菊地 今日のハイライトだったね、仁藤優子のヘディングシュート!
一同 やっぱり『アイドル力』だね。
小池 スフィア元年を振り返ってみると、基本的には現アイドル代表格のガッタスを中心に回ってきたというのがあって、そこに『山口百恵』の強烈なデビューがあったでしょ。で、最後に『仁藤優子』だからね。
菊地 そして2人とも鮮烈なヘディングシュート
小池 アイドル力というのを痛感した1年でもあった
菊地 仁藤さん、レギュラークラスというわけじゃなくて、それほど長い時間出てないわけでしょ。それがあのドリームとの、あの場面で出てきて、ガッタス総合優勝の望みをつなげる貴重な追加点。もう、ちょっと考えられないよ。

フットサルの技術を超えたアイドル力ですか。考えようによっては嫌味にもとれますが、対談者にはそんな意図はないでしょう。
いずれにせよ、選手が「空気を読む」というのはあってはいけないので、いい物語を生み出せる舞台設定を運営側が図っていかなければいけませんね。