ヲタとヲチャ、または私的マジヲタ論

http://d.hatena.ne.jp/helloblog/20070604/p3

確かに、例えば市川由衣がやらかして(本人の人気はともかくとして)成海璃子に悪影響があると主張すれば電波扱いでしょうから、女優系は個人主義だと言えるでしょうが、では歌手はというと、例えば倉木麻衣がやらかして上木彩矢に悪影響がありそうな気はしませんし、ジャニーズですらグループが違えばあまり関係なさそうですので、「藤本下ろし」で言われた「悪影響うんぬん」はハロプロの(ハロヲタの?)集団主義に由来する特殊事情でしょうね。
「オフでもスターであるべきか」の方は、活動内容に関係なくついて回る問題であり、ハロプロが特にひどいということはないと思われます。

主流派・反主流派といった対比の仕方は俺達アイドルウォッチャーなら重要かもしれないですけど、○○ちゃんオンリーなファンから見たらどうでもいいことですよね。そんなことより今心配なのは「芸能界ってみんなこんなんかなあ...俺の○○ちゃんはどうなんだろ...」かと。


要は、アイドルというジャンルを頭の中で勝手に作って、自分のお庭の中で「この子が将来的に来そう」と思っているアイドルウォッチャー(少数派、この前のダメコラムが正にそう)と、ふらっとテレビや雑誌を見て「あれ?この子、好みのタイプかもw」...って気になりだして、追っかけていくうちにハマった子が『自分の中でのアイドル』っていう人達(圧倒的多数派)とでは考え方が異なる。その圧倒的多数派は歌手も女優も変りません。

ここでいう「オンリーファン」というのは、単推し/DDの枠組みとは別の文脈であって、むしろ「マジヲタ」という表現が近そうです。
マジヲタというのは主に2ちゃんねるモ娘(狼)の住人がKYさん…もとい*1「空気の読めない人」をそう呼んだのが始まりだと思いますが

  • ポジティブな意味:ハロプロあるいは推しメンに対してしっかりした愛を持っている人
  • ネガティブな意味:その愛の強さゆえに頑固になってしまう人

ということになると思います。マジヲタの反対語は確立していないようですが、「ウォッチャー」を2ch流に変化させた「ヲチャ」が「ヲタ」ときれいな対になりますので、以下これを使います。

さて、マジヲタとヲチャというのはそれほどはっきりと切り分けられるものではなく、その人の推しメンに対してはヲタであってもそれ以外に対してはヲチャという場合や、その時々の心境によってヲタとヲチャを行き来する場合があります。また、アイドルなるものは幻想かもしれませんが、ハロプロは確固たる存在ですので、「とらわれる」人が少数派とは必ずしも言えないのです。
さらにヲチャが有害無益なのかといえば、それも正しくはないと考えます。深い愛の余りに往々にして周囲が見えなくなるマジヲタと違い、一歩引いた視点での語りは現時点でのファンでない人にもよりよく伝わるかもしれません。ただし、それには別の形の、すなわちハロプロ全体に対する愛が必要だと思います。

ちなみに、藤本美貴脱退問題にたいする私の視点はこうなります。

  • マジヲタ視点:1人抜けたくらいで崩れるモーニング娘。ではない!久住小春がいるじゃないか。
  • ヲチャ視点:グループの硬直化の危険を思えば、これを理由にモーニング娘。を出るべきではなかった。

すなわち、集団主義の害を抑えるには、個人主義にシフトするよりも、集団全体を見つめながら決して愛情を忘れないようにすることが重要だというわけです。

*1:まあKYさんがマジヲタなのは間違いないでしょう。