太く短く生きるか、細く長く生きるか

太く短く(ふとくみじかく) 一生を短期間に凝縮させたような精力的な生き方をすること。したいことをして楽しく過ごせるなら、長生きなどはしなくても構わないという処世の態度。
http://www.geocities.jp/tomomi965/ko-jien06/ha14.html#huto

細く長く(ほそくながく) 短期間に全力を出し切ってしまわないで、長く続くように少しずつすること。また、偉大なことを成さなくても長生きした方が良いとする生き方のこと。
http://www.geocities.jp/tomomi965/ko-jien06/ha16.html#hoso

「太く長く」というのは辞典に載っていませんが、派手な生き方をしながらも長生きするということになるでしょうか。それはやはり困難なことで、「太く」と「長く」はトレードオフのようです。芸能界は特にこうした生き様の例を見せてくれるところだと思います。


芸能界で「太く」というと、広く大衆に支持されるということになります。しかし世間は怖いもので栄華を極めた者にはその最中もその後も厳しい荒波が襲ってきます。すなわち「太く短く」になりがちで、それを避けて長く生き残るには地道に芸を磨き磐石な支持者を確保する、それが「細く長く」です。


猿岩石として国民的な注目を浴びた後にどん底を経験して、その後一線に返り咲いた*1有吉弘行は二度目のブレイクを「馬鹿に見つかる」と言いました。馬鹿とはすなわちタレントを持ち上げたり落としたりする世間のことですから、例えばネプチューンあたりはそんなことは言わないと思います。


ここまで世間と言いましたが、普通の人々は忘れっぽくはあるものの悪意のある人は少なくて、実はマスコミやプロダクションの問題かもしれません。まあ何といいますか…影の勢力に利益を供与しないとその息のかかったメディアに叩かれるということがあるのだと思います。芸能界が古くから闇社会と関わりがあるとはよく言われることで、長年の努力にもかかわらずまだ完全には排除できていないようです。そこで「金儲けしようなんてけしからん!タレントとファンのためにはヤクザの軍門に下ってでも大きな仕事を取るべきだ」と言っていいものか。


さて、モーニング娘。はもともとゴールデンタイムの番組によって生まれたもので、また「98年一杯で解散する可能性もあった」というつんく♂Pの発言もあるように、当初は「太く短く」を志向していたようです。しかし元来の意図を超える成功を成し遂げたことにより、いつしか「細く長く」なのか「太く長く」なのかはともかく「長く」を目指すようになります。ここでは多くを述べないことにしますが「長く」あろうとしたゆえに「細く」なってしまった観は否めないようです。そして「長く」が達成されたゆえに「太く長くあれ」と思うのも仕方ないのでしょうが、時の勢いを失ってからのハロプロに関しては諸問題はありつつもそれなりによくやっていると思いますので、責めるならもっと勢いのあった何年も前のことにするべきだと考えます。昔のことを責めるというと後ろ向きに聞こえそうですので、簡単に最盛期の勢いを取り戻せると思うべきでないということです。


もう一つ申しますと、「このままではいかん」と思うならもう一歩踏み込んで「だらだら続く位なら終わってほしい」と思うかそれとも「何としても続いてほしい」と思うかというところを考えてほしいとも思います。そこの議論が深まらないと、その中身が曖昧なままに構造改革が語られるのに似た残念な光景が展開されるでしょう。

*1:こんな説明は不要かもしれませんが、あえて書いてみました。