途切れないから伝統なのか、途切れても再起するから伝統なのか

 もしも鞘師里保モーニング娘。に来なかったら、2011年あたりでモーニング娘。は解散していたかもしれないという話がありますが、それでもハロプロは続いていくはずなのでそうした仮定をもとにその後の各グループの展開を考えてみます。*1

 

解散時点でのモーニング娘。のメンバーは5人いましたが、その後の活動は概ね史実通り……として高橋愛新垣里沙光井愛佳は問題ないし、田中れいなもブランクができることになりますがバンド結成するとして、道重さゆみがここで休業するのはもったいないということで新グループ結成(カントリー・ガールズとする)となります。名前はカントリー・ガールズでもPMが道重さゆみということで背格好は史実のものと大きく異なることになりますが、それでも雰囲気はそれっぽくなると思われます。

 

またモーニング娘。がもはや存在しないということで、史実では2人抜けた後に長く苦しんだスマイレージが引き続き中心的役割を担わざるを得ないと思われます。そしてモーニング娘。の精神の継承を他グループ以上に意識しながら力を付けていき、そして時機を見ていよいよ正式に

モーニング娘。'15

に改名する、そんな展開を考えました。その時点でのメンバー構成(一例)を挙げてみますと

1期(通算9期)*2 和田彩花福田花音(・前田憂佳小川紗季)

2期(通算10期) 石田亜佑美竹内朱莉田村芽実工藤遥 

3期(通算11期) 小田さくら浜浦彩乃

4期(通算12期) 室田瑞希野中美希佐々木莉佳子

と、史実でのモーニング娘。アンジュルムが半々(この時点でアンジュルム勢が1人多いが福田花音が抜けて同数になる)のメンバー構成ながらグループ特性はモーニング娘。を名乗りながらもアンジュルム寄りになると考えられます。一方のカントリー・ガールズは同時期に道重さゆみがPM卒業、合わせて2期メンバーが入るものとしてその時点でのメンバー構成(やはり一例)は

PM 道重さゆみ

1期 譜久村聖生田衣梨奈佐藤優樹田辺奈菜美 

2期 稲場愛香森戸知沙希牧野真莉愛

と、カントリーを名乗るからには北海道出身者(と出身ではないが牧野) は入れるものとしました。

 

他のグループはというと、モーニング娘。がいない分の注目を得ることで℃-uteはややプラスになりそうですがハロプロ全体ではさすがにマイナスで、Berryz工房は史実通りの時期に休止となり、つんく♂Pの病魔も変わりはないはずです。影響が大きそうなのはハロプロ研修生で、注目度が史実より落ちるだけでなく17~22期あたりで登場しないことになるメンバーがいると思われます。そこが読めないのでふわっとした話になるわけですが、それでも新グループを1つくらいは作れそうです。

 

そしてモーニング娘。「復活」の2015年以降です。その前から田村芽実にある意味で鞘師里保に相当する役割を与えることで、ボーカル志向でセールスポイントを作っていくことになると考えられます。ちょうどグループアイドル界に陰りが見えて来た時期でもあり、また闘志あふれるメンバーが多いことで芸能マスコミに注目も浴びやすいと思われますが、勢いに乗りかけたところで田村芽実が史実通りの時期に抜けるとパフォーマンスの立て直しに苦しむことになります。そこでキャラが被るかもしれない欅坂46にぶつかるとなれば、時期がいいようでよくなかったということになりそうです。

 

またモーニング娘。の精神を継承することの正当性でも、ボーカルはともかくダンスでは一段落ちることもあり、ダンス(とチームワークも!?)で勝るカントリー・ガールズ(史実のものとは異なる)の方が相応しいという意見もファンサイドに出てきて、両グループをライバル視する雰囲気が生まれることが考えられます。そしてカントリー・ガールズ佐藤優樹モーニング娘。に喧嘩を売ってモーニング娘。工藤遥が返すというグループが分かれてもまーどぅーことがあるかもしれません。

 

そんなわけで「モーニング娘。を名乗るアンジュルム」と「モーニング娘。を名乗らないモーニング娘。」があるとしたら、という思考実験をやってみましたが*3、いい感じのようでそうでもないということになりそうでそう思えばやはり鞘師里保のしたことは忘れがたいものであると改めて言えるのです。

 

*1:ほとんど影響のないグループもあり、そうなると自然と文中に登場しないことになります。

*2:どちらの呼び方もあり得ますが、特に10期以降は史実のモーニング娘。との比較が分かりやすくなることも考えました。

*3:途中から趣旨が変わったのではありません。最初からそのつもりでした。

酉年から酉年まで

ついに本日をもって℃-ute解散ということで、平均年齢・キャリアにおけるハロプロ内での立ち位置の変遷を振り返ってみます。

デビュー日:グループ結成またはメンバー追加の日
入門日:ハロプロキッズ・エッグ・研修生への加入の日(それらを経ていない場合はデビュー日と同一;ただしその時点での所属グループにおけるデビュー日と異なる場合がある)
特に後者は曖昧なところもありますがハロプロ在籍表の見解に従うものとします。

結成時(2005年6月)
グループ名 誕生日平均 デビュー日平均 入門日平均
℃-ute 1993/7/21 2005/6/11 2002/6/30
Berryz工房 1992/10/16 2004/1/14 2002/6/30
モーニング娘。 1988/3/14 2002/6/11 2002/5/3

結成時平均年齢12歳にも満たず(Berryz工房の結成時はもっと下だった)、当然この時点のハロプロでは年下グループだったわけですが「入門日」だとその頃のモーニング娘。とあまり差がなかったのです。

メジャーデビュー時(2007年2月)
℃-ute 1993/9/12 2005/7/10 2002/10/18
(村上愛脱退前) 1993/7/16 2005/7/6 2002/10/4
Berryz工房 1992/10/11 2004/1/14 2002/6/30
モーニング娘。 1988/11/15 2003/2/12 2003/1/1

平均値にしてしまうとほとんど変動はないのですが、有原栞菜が入ったのと村上愛が抜けたのがあったので記録として出しておきました。

飛躍から暗転、5人に減少(2009年10月)
℃-ute 1994/3/18 2005/6/11 2002/6/30
(有原栞菜脱退直後) 1993/9/27 2005/6/11 2002/6/30
Berryz工房 1992/10/11 2004/1/14 2002/6/30
モーニング娘。 1989/11/7 2004/5/6 2004/5/6
真野恵里菜 1991/4/11 2008/3/29 2006/6/4
スマイレージ 1995/5/31 2009/4/4 2004/8/10

表にはありませんがエルダークラブ組がハロプロを離れ、新たに後輩グループができると印象は大きく変わりました。一方で有原栞菜に続いて梅田えりかも抜けて、これ以降は最後まで5人での活動となります。

どん底を乗り越えて(2011年12月)
℃-ute 1994/3/18 2005/6/11 2002/6/30
Berryz工房 1992/10/11 2004/1/14 2002/6/30
モーニング娘。 1995/4/20 2008/10/21 2008/6/25
真野恵里菜 1991/4/11 2008/3/29 2006/6/4
スマイレージ 1997/1/11 2010/10/30 2008/6/2

(℃-uteにメンバーの変動がないため、ここからは主にモーニング娘。視点となります。)10期加入と高橋愛卒業でついに平均年齢がモーニング娘。より上になりました。いよいよ先輩格として、また実力的にも主力グループとしての活躍を期待されるようになります。

team℃-uteとともに(2013年9月)
℃-ute 1994/3/18 2005/6/11 2002/6/30
Berryz工房 1992/10/11 2004/1/14 2002/6/30
モーニング娘。 1997/2/9 2010/9/3 2010/3/11
スマイレージ 1997/1/11 2010/10/30 2008/6/2
Juice=Juice 1996/12/28 2013/2/3 2011/5/1

この時期の℃-uteは本気でハロプロのトップを取りに行った感があります。モーニング娘。との争いは激しくなりましたが、その中で両グループとも勢力を伸ばせたのは幸運でした。

最年長グループとして(2015年4月)
℃-ute 1994/3/18 2005/6/11 2002/6/30
モーニング娘。'15 1998/9/30 2012/7/6 2011/5/27
アンジュルム 1997/12/1 2012/2/20 2010/1/4
Juice=Juice 1996/12/28 2013/2/3 2011/5/1
カントリー・ガールズ 1998/6/12 2014/11/5(2013/1/16※) 2012/5/7
こぶしファクトリー 2000/5/3 2015/1/2 2012/11/10(2012/3/3※※)
つばきファクトリー 1999/9/21 2015/4/29 2013/12/6(2013/5/2※※)

嗣永桃子のみ、Berryz工房としてのデビュー日で計算した場合
※※広瀬彩海井上玲音小片リサについて、ナイスガールトレイニーへの加入日で計算した場合

道重さゆみの卒業とBerryz工房の活動休止により、名目上のトップが℃-uteになりました。前後して新グループ・メンバーが大きく増えてハロプロメンバー総数がエルダークラブ離脱前の勢力を回復しています。ここまで来るとずば抜けた先輩グループになっていることが分かります。

そして、終幕(2017年6月)
℃-ute 1994/3/18 2005/6/11 2002/6/30
モーニング娘。'17 1999/1/22 2013/6/5 2012/1/30
アンジュルム 1998/12/26 2013/6/2 2011/8/31
Juice=Juice 1996/12/28 2013/2/3 2011/5/1
カントリー・ガールズ 1999/6/6 2015/3/6(2013/5/17) 2012/6/24
こぶしファクトリー 2000/5/3 2015/1/2 2012/11/10(2012/3/3)
つばきファクトリー 2000/5/26 2015/10/3 2014/4/28(2013/12/3)

℃-ute自身について書くべきことはもうないのですが、デビュー日と入門日の差に注目すると、こぶしファクトリー℃-uteと並んでデビューに時間がかかったグループということに気付きます。とにかくハロプロの内でも外でも競争が激しく中で各グループとも耐え、そして℃-uteも耐えた末に解散を選んだのでした。

その先はというと、℃-uteの他に実質的にもう1グループ減って、おそらくは新たに1グループできることになると思います。その展開が読めないのもせいぜい1ヶ月程度のこと、不安でのたうち回るのは今のうちだけにしておきましょう。

切り替えて行こう、でも、どうやって?

鞘師里保モーニング娘。からいなくなる、これは大変だと言っても、さしあたっては残ったメンバーでやるしかないのですが、そもそも何故にエースとしての鞘師が必要とされたのか。その加入時、2011年の年頭の状況を振り返ってみます。

その当時、長く新メンバーの加入がなかったモーニング娘。は歴代でもっとも成熟した状態にあり、そのパフォーマンスに大いに誇りを高めていたのですが、一面ではある種の閉塞感も依然としてありました。その時、亀井絵里が持病により一線を退かざるを得ない状態となり、また留学生の立場であったジュンジュンとリンリンも中国に戻ることになり、改めて卒業・加入により変化し続ける娘。の宿命を思い出すことになったのでした。とはいえ9期メンバー加入にあたっては長く新メンバーを迎えていなかったことによる戸惑い、さらには能力的にも必然的にハードルが最高レベルに達していたことで大いに困難が予想されました。
それに応えるのに、鞘師里保の高い素質は十分な説得力を持ったものでした。ことにやがて卒業すると思われていた高橋愛*1の後継に足る能力を示すのが問題でした。他のメンバー、例えば田中れいなでは力不足だったというより、世代が近いとライバルというイメージになり後継者とは見られにくかったのです。もっとも、そのように世代交代が綱渡りになった原因、つまり6期と9期の間にあたる世代のメンバーがほとんどいないことになった理由は、ハロプロの他のグループとの関係も絡む複雑なものと思われ、深入りは避けることとしましょう。

そんな過程があったので「鞘師里保の後継」というのも自ずから難しいものとなり、仮にそれが必要になる事態を想定していたとしても現時点で満たすのは無理のあるものとなることでしょう。急仕立てでエースを作るわけにはいかないので、ひとまずは組織力でなんとかすることになるでしょうか。

*1:卒業の意志が公表されたのは9期加入の少し後でしたが、オーディションの段階で前提にはなっていたことでしょう。

Berryz工房と「色物」

アイドルにおいてアイドル性というかいわゆるロリヲタ好みの資質、そして歌とダンスの技量が2つの軸としてあると思います。そして第3の軸として「色物」という概念を考えます。これは突き詰めると深く遠大なものになりうるのですが、さしあたって「正統派とは違う何か」とお考えください*1

この「色物」というのは「個性(派)」と呼ばれることが多いのですが、ハロプロにおいて個性の発露は大事なこととされる一方で、正統派たり得なかった者への慰めと見られることも多く、とりわけエルダークラブというカテゴリーが存在した時期(2006年1月〜09年3月)にはそちらに属する年長メンバーにこの要素がより強くあるものと見なされました。そんな中で、まだ幼く新鮮さを売りにしていた初期のBerryz工房とそのファンの視点からは「早く人間になりたい*2」というムードがあった一方で、年長世代を「おばさん*3」と見る風潮もありました。

しかし、おそらくはエルダークラブハロプロを離脱したあたりから、いわば「追い出した」側であったBerryz工房が(当時としては)意外にも色物らしくなっていきました。その原因としてはキャリアを重ねて新鮮さが売りにならなくなり、一方でハロプロ内の主流派争いでは分が悪いと見えた、この頃の目標としてメロン記念日が挙げられることがあったのですが、ややもするとモーニング娘。が「メロン記念日化」すなわち主流からの転落の可能性もあったのが当人の奮闘あってそうはならなかったというところでしょうか。またキャリアとともに技術を高めたゆえに色物らしさを発揮しても眉を顰められることがなくなったこともあり、つまり冒頭の2軸のうち技術の充実は「色物イズム」と相反するものではないことがうかがえます。一方でこの時期に℃-uteが色物らしさを持つメンバーが脱退したこともあって「ダンスの求道者」の色を強めたのと好対照でした。こうして見ると、難しい時期もありましたが前期と後期で大きく異なる「Berryz工房らしさ」をともに体現してきた菅谷梨沙子の凄みを感じます。

もっともハロプロを離れて広くアイドル界を見まわしてみると、AKBが正統派と見られたゆえに色物が求められた時期もあったのですが、いつしか色物サイドのアイドルが溢れてしまい、またその確かな技術ゆえにハロプロには正統派としての役割が期待されるようになりました。そのせいなのか、あるいはメンバーにとってグループを離れたところに目標ができたためなのか*4、とにかく誠に残念なことに、Berryz工房はその活動を終えることとなりました。「鈴木愛理宮本佳林がいれば問題ないから(震え声)」の感もありますが、やがてはかつてBerryz工房自身が示したように「個性の穴」も埋まることでしょう。

*1:元々は寄席における落語以外の出し物のことなのだそうです。

*2:妖怪扱いかよと言われそうですが、デビュー時点で全員小学生でいかにも幼すぎたBerryz工房は「怪しき者」と見られてきたのも確かです。

*3:流石にベリメンはそんな失礼なことは言わなかったと思います。

*4:まだ詳細不明ですが、熊井友理奈にはその可能性が高いと思っています。

また輝いてもいいですか?

これまでの長い歩みの中で、もはやモーニング娘。が輝こうとするとどうしても誰かを傷つけることになるから、ただそこにいるメンバーのキャリアを汚さないため、いわば敗戦処理のために活動するしかないのだと思っていた時期がありました。
しかし、新しいファンを得ることなど不可能と思われていたその時、存外新たにモーニング娘。を見つめるようになった人たちがいました。そして長く新メンバーの入ることのなかったモーニング娘。に9期メンバーが加入した2011年の年明けとともに、よほど関心のある人でなければ忘れていたであろうモーニング娘。の名を再び世間にとどろかせるための苦闘が始まったのでした。


「プラチナ期」という言葉を使う時の複雑な感情、それはファンでさえも娘。の底力を信じることができなかったあの頃に対する後悔、一方で当時の歴代最高の技量により惹きつけられた新メンバーと新規ファンへの感謝、そしてあの頃の分まで世の注目を集めたいという思い、などなどが折り重なっているのでしょう。これまでメンバーが卒業するたびに起こった、卒業メンバーのヲタとその後の娘。のヲタがいがみ合う悲劇は、あの時より後には幸運にもと言いましょうか、なんとか避けられています。


そんな悲劇のおそらくは最大の原因となった人物で、敗戦処理という考えを私が抱いた理由もそこにある、矢口真里のことが気になっていました。順調だったソロ活動を暗転させたかの一件については言及を避けますが、勝手なものでモーニング娘。'14への悪影響を心配して芸能活動ができないと思われるのは困るので早く活動再開してほしいと思っていました。実際には前夫サイドとの兼ね合いがあるのでしょうが、これ以上の詮索はしないことにします。


ともあれ、それがモーニング娘。にとって正道であるかはともかく、いや、その努力によって正道とようやく認めさせることができたというべきか、自分なりの方法で大いにその人気を獲得することに成功した道重さゆみの卒業をもって、これまで17年の歴史を重ねたモーニング娘。は大きな節目を迎えることになります。モーニング娘。'14がモーニング娘。'15になっても、その前途にはいささかの不安もないのですが、一方で私がこれまでと同様ないしより強く見つめられるか、こちらは大いに不安なのですが、なるようにしかならないのでしょう。


そして、さまざまな理由でモーニング娘。から心が離れてしまった人たちも多くいたと思います。そんな人々が再びモーニング娘。に目を向けることはあるのか、その輝きに目を見張ることはあるのか。今問いたい、「また輝いてもいいですか?」と。

青空とプラチナの先に

http://drifter-2181.hateblo.jp/entry/2013/03/27/210301

いわゆる「プラチナ期の前に何があったか」ですが、掘り下げると「出戻り黄金厨問題」なのかもしれません。


黄金期以降もいろいろ注目すべきことがあったのいうのが基本スタンスではあるものの、まとめて低迷期のように扱われているのが納得いかないところで、とりわけ「黄金の9人」の向こうを張って「青空の10人」と言われた時期に対して、冷たいとは言わなくともいまいち乗り切れなかったと思われる書き方をしているのが気になりました。*1


id:drifter_2181さんはブログのプロフィールに推しメンを書いておられないので、無礼にも予断をはさむことになるとは思いますが、書き方からし矢口真里は好き(だった)のだと思います。そうなると矢口が抜けた後のモーニング娘。はまともに見られなかった可能性が高いと考えられます。そこから他のグループやソロメンバーを経て、再び娘。に高まることができたのはプラチナ期半ば以降、というのがありそうな線です。


実は、矢口真里の脱退は「恋愛スキャンダルのせいでモーニング娘。を辞めさせられた」のではなく「恋愛を口実として辞めた」という解釈をしていました。これにより「アイドルと恋愛」の重い課題から逃れることができたのですが、その2年後に藤本美貴が脱退の憂き目に遭い、改めてその難題と向き合う必要が生じました。また、その2007年には後藤真希ハロプロを離れることになり、安倍なつみ松浦亜弥の新境地も一定の評価は受けていたものの世間に響くことの少なかった時期であり「パフォーマンスを上げても無駄かもしれない」という不安も大きくなっていました。


その時期の苦悩と「プラチナ期」の呼び名に代表される賞賛をどう整合させるかというのが、実は私の中でまだ決着がついていないのです。ただ、9期メンバーを募集する時期になっても「世間から忘れられたモーニング娘。に入ろうとする人がいるだろうか」あるいは「パフォーマンス向上のあまり、新メンバーにとってのハードルが上がり過ぎていないだろうか*2」というのが不安でした。その両方は実際に9期が入って見事に吹っ飛ばされたのではありますが。


で、最初に書いた「出戻り黄金厨」ですが、さらに「9期加入前の出戻り」と「9期加入後の出戻り」に分かれます。それまで長く娘。を支えてきたヲタにしてみれば、一番つらかった時期を共有していない出戻りヲタには多少なりとも反発があり、特にそのヲタにとって大切な時期を否定されているように感じることもあるでしょう。そのような反発のあまりに、あるいはそこから逃れるために、プラチナ期の出戻りは「プラチナ厨」として振る舞うようになりました。そうして「プラチナ派vsフレッシュ派*3」の対立が生まれました。


そんなわけで、対立とは言っても現在のモーニング娘。がプラチナ期のパフォーマンスを目標にしなければならないのは明らかであり、また気を抜けば過去に繰り返されたように「かつてのヲタが今の娘。を叩く」ということにもなりかねない中で、プラチナ期については盛んに語られ、しかしその前の時期はあまり語られなくなっているのが現状と考えます。

*1:何しろ、私はその時期こそ最も熱かったのです。

*2:当時は「真野恵里菜でも入れるしかないのだろうか」と思ったものです。

*3:私の造語で、9期以降を推す人たちのことです。

ドリームモーニング娘。とモーニング娘。と後藤真希と

ドリームモーニング娘。が結成された意義というのを考えています。控えめに「現在のモーニング娘。も含めて刺激になればいい」くらいなら、それなりに有効だったでしょうか。相乗効果というには物足りなさを感じるのは確かです。


ゴールデンタイムの番組などでは、あたかも以前に解散していたモーニング娘。が再結成したかのような扱いをされることも多く。現在のモーニング娘。のファン*1からは少なからず反発もありました。*2このあたりの議論を掘り下げると、卒業制度は間違いだったのではないかという疑問が出てきたりして泥沼にはまりがちなのですが、もとよりモーニング娘。の名のもとにあった同士で憎み合うのは本意ではないのであって、問題はマスコミにありとするのが道理であろうと思われます。しかしそこで一旦合意できても、今度は赤字になってもマスコミ関係者の機嫌を取るべきか、というところでまた揉めるという地獄があります。


いっそのこと、モーニング娘。を本当に解散させればそのあたりの混乱はなくなるのでしょうが、そうなると名実共に「先輩のために後輩が犠牲になる」という悲劇が起こるのであって、関係者の誰もが望まないことと断言します。もっともファンサイドにこのレトリックを提示するのは、そこまで世間(あるいは世間体を気にする人たち)に媚びるべきかという疑問として有意義と考えます。実は「憎み合うのは本意ではない」とは歴代ファンの全てがそうかといえば多少なりとも疑問があって、例えば矢口真里に対してはいまだに恨みを抱く人もいると思われます。長年続いてきたグループの周辺にはそれなりに愛憎が渦巻くのも自然なことであって、その和解を働きかけるようなことがあまり行われてこなかったことにはモーニング娘。関係スタッフに責任があると考えられます。


もう一つの問題として、OG全員の結集が実現していないことがあります。無論当人が望まないのであればどうにもならないですし、望んでも諸事情から言い出せないということもあるでしょうが、特に後藤真希に関しては私は語らなければならないと思いますので以下に申し上げます。夢を語るなら、一度は後藤真希を含むモーニング娘。の再結成、また後藤真希が離れた後のメンバーとの共演を一度は見たいと思っています。なんならモーニング娘。(OG含む)がエイベックスに移籍すれば見られるのではないかとも思いましたし、望むならごっちんアップフロントに戻るのもいいと思いました。ただごっちん自身が音楽活動すら止めてしまう現状ではかなわぬ夢でしかないと見ています。

*1:「現在のモーニング娘。」という言い方は娘。を世代間で分断するものだと思われるのであれば、現在の「モーニング娘。のファン」とお読みいただければと思います。

*2:例:「ドリムス」を「モーニング娘。」と紹介 ファンが激怒、事務所が謝罪 : J-CASTニュース